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ラ・ポールの徹底解説vol.5(1/3)
ファクタリングの審査と仕組みを徹底解説

ファクタリングの審査と仕組みを徹底解説

株式会社ラ・ポールのコラムをご覧になっていただきありがとうございます。
「ファクタリングの審査と仕組みを徹底解説」というテーマで、資金繰りに悩む中小企業経営者の方に向けて、できるだけ現場目線でわかりやすくお伝えしていきます。

 

まずはファクタリングそのものの基本的な仕組みと、審査がどのような視点で行われているのかの“全体像” から丁寧にお話ししていきます。

■1. ファクタリングとは何か?審査と仕組みを理解するための「土台づくり」

「ファクタリング」という言葉自体はここ数年で一気に広まりましたが、その実態をきちんと理解できている経営者は、正直なところまだ多くありません。「早く入金してくれるサービス」「資金繰りが苦しいときに使うもの」というぼんやりしたイメージのまま、仕組みや審査のポイントを理解せず、言われるがままに契約してしまうケースも少なくないのが実情です。

しかし、ファクタリングは決して「よく分からないけれど、とにかくお金が早く入ってくるサービス」ではありません。
本質的には、「自社が持っている売掛債権(請求書)を“現金化するための金融取引”」 です。ここをまず押さえておくことが、審査の流れや仕組みを理解するうえでの出発点になります。

少し噛み砕いて言うと、こういう構図です。
• あなたの会社は、既に商品・サービスを提供し、売掛先に請求書を発行している
• しかし入金は30日後・60日後など、時間がかかる
• その間にも、給与・仕入・家賃などの支払いが迫っている
• この「入ってくるはずのお金」を、ファクタリング会社が先に買い取り、早期に現金化してくれる

つまり、ファクタリング会社は「将来入ってくるお金」を先回りして立て替えてくれているわけではなく、売掛債権という“資産”を買い取っている に過ぎません。
ここが、融資やビジネスローンとの決定的な違いです。融資は「借り入れ」、ファクタリングは「売却」です。審査の目線も、ここから大きく変わってきます。

お金を返すのは「誰」なのか?審査の主役は実はあなたではない”

ファクタリングの仕組みを考えるうえで、非常に大事なポイントがあります。
それは、“最終的にお金を支払うのは誰か?” という視点です。

銀行融資の世界では、返済するのはあなたの会社です。ですから、審査の主役は
• あなたの決算内容
• あなたの信用情報
• あなたの経営者としての人物像
です。

ところがファクタリングでは、ファクタリング会社が回収するお金の“出どころ”は、あなたの会社ではなく 「売掛先の支払い」 です。つまり、ファクタリング会社から見れば、返済してくれる“本当の相手”はあなたではなく、「あなたの取引先」なのです。

この構造を理解すると、審査の際に

「自分の会社は赤字だけど、本当に利用できるのだろうか?」
「税金を分納しているが、それだけでアウトなのか?」
といった不安に対する答えも見えてきます。

ファクタリングの審査では、たしかに利用会社(あなたの会社)の状態も見られますが、それ以上に重要なのは、
• 売掛先の信用力
• 売掛先との取引実績
• 発行している請求書の信頼性
• 実際に取引が行われているかどうか
など、売掛債権そのものの“質” です。
言い換えると、ファクタリングは「あなたの会社ではなく、あなたの売掛先を審査する金融取引」と捉えることもできます。

2社間ファクタリングと3社間ファクタリングの違いと、審査への影響

ファクタリングには大きく分けて「2社間」と「3社間」という2つの方式があります。
この違いを理解することも、審査と仕組みを理解するうえで非常に重要です。

2社間ファクタリング は、
• 売掛先にはファクタリング利用の事実を知らせない
• あなたの会社とファクタリング会社の2者だけで契約する
という方式です。このケースでは、売掛先からの入金は従来どおりあなたの会社に入り、それをあなたがファクタリング会社に支払う形になります。表面上、取引先に知られないため使いやすい一方で、ファクタリング会社からすると「売掛先が支払っても、あなたの会社がきちんと自社の取り分を支払ってくれるのか?」という追加リスクが発生します。

一方、3社間ファクタリング は、
• 売掛先にファクタリングの利用を通知する
• 売掛先が支払先を「あなたの会社 → ファクタリング会社」に変更する
という方式です。この場合、ファクタリング会社は、売掛先から直接入金を受け取るため、「あなたの会社に支払いをお願いする」というリスクがありません。

この違いが審査にどう影響するかというと、
• 2社間:売掛先+あなたの会社、両方のリスクを見る
• 3社間:主に売掛先のリスクに集中して見られる
という構図になります。同じ売掛先、同じ金額であっても、3社間のほうが手数料が低くなりやすく、審査も通りやすいのはこのためです。
「どうしてこんなに手数料が違うのか?」
「なぜ3社間のほうが有利だと言われるのか?」
その根本にあるのは、“誰が、誰から、どのようにお金を回収するのか” という仕組みの違いです。

審査の大きな流れ ― 何を確認されているのか?

実際にファクタリングを申し込んだ場合、審査はどのような流れで進んでいくのでしょうか。
細かな手順は業者によって異なりますが、大枠はほとんど共通しています。

まず、申込の段階で、あなたの会社は次のような書類の提出を求められます。
• 売掛先に発行している請求書
• 実際の取引を示す見積書・納品書・注文書など
• 直近の決算書・試算表・納税証明書
• 売掛先との取引実績がわかる通帳の写し
などです。
ここで見られているのは、単に「書類があるかどうか」ではなく、
• 本当に取引が行われているのか
• 架空請求ではないか
• 売掛先はきちんと支払いをしているか
• 売掛先との関係は継続的か、一時的か
といった“実態”です。ファクタリング会社は、あなたの会社と売掛先の間にある「見えない信頼関係」を、書類やヒアリングを通じて立体的に読み解いていきます。

この段階で不自然な点が多い場合、たとえば
• 請求書はあるが、過去の入金履歴が全く見えない
• 契約書類が一切なく、口頭取引だけで進んでいる
• 売掛先に連絡しても担当者が把握していない
といったことが確認されると、「この売掛債権は危険だ」と判断され、審査は厳しくなります。
逆に、
• 契約書・注文書・納品書・請求書・入金履歴がきちんと整っている
• 売掛先が上場企業や大手企業で、支払いも長年安定している
• 過去に支払い遅延・不払いの履歴がない
といったケースでは、ファクタリング会社としても安心して買取に応じることができ、審査もスムーズに進みやすくなります。

「審査が通らないのは、自社に問題があるから」だけではない

多くの経営者が、審査に落ちたときに
「うちは赤字だからダメなのだろう」
「税金の滞納があるからだめだと言われるのでは…」
と自社要因だけに目を向けがちです。
たしかに、決算や税金の状況は審査でチェックされます。しかし、ファクタリングの場合、それだけが理由とは限りません。
• 売掛先の業績が悪化している
• 売掛先自体に支払い遅延の履歴がある
• 業界全体が大きなリスクを抱えている
といった「売掛先の事情」によって、審査が厳しくなっている可能性も十分あります。
ここをきちんと説明してくれる業者であれば、たとえ不承認となったとしても、今後の取引改善や取引先の見直しに役立つ“ヒント”を得ることができます。
つまり、ファクタリングの審査は「あなたの会社が良いか悪いか」を判断する場ではなく、
「あなたと売掛先との取引が、ファクタリングというスキームに耐えうる健全さを持っているか」を見極めるプロセス なのです。

仕組みを理解すれば、“怖さ”より“使い方”が見えてくる

ここまでお読みいただいて、ファクタリングは「よくわからない金融サービス」ではなく、
• 売掛債権という資産を現金化する
• 審査の主役は売掛先
• 取引の仕組みと回収ルートが手数料や審査に大きく影響する
という、非常にロジカルな仕組みで動いていることをご理解いただけたのではないでしょうか。
仕組みと審査の全体像を理解すると、
• なぜ2社間は高く、3社間は安いのか
• なぜ同じ会社でも売掛先によって条件が変わるのか
• なぜ書類の整備がこれほど重視されるのか
といった疑問も自然と解消されていきます。
次章以降では、
• 審査の具体的項目
• 書類の整え方
• 審査に通りやすい案件・通りにくい案件の違い
• 悪質業者と健全な業者の見分け方
• ファクタリングを資金繰り戦略の中でどう位置づけるか
など、より実務的で踏み込んだ内容を、株式会社ラ・ポールならではの視点で順番に解説していきます。

■2. ファクタリング審査の核心 ― どのような項目が評価され、何が合否を分けるのか?

ファクタリングの審査を理解するうえで重要なのは、「何を、どの順番で、どれほど深く見られているのか」を正確に把握することです。
審査というと、銀行融資のように「決算書の数字」や「財務の健全性」が主役だと思われがちですが、ファクタリングの場合は審査の根本構造が大きく異なります。
ファクタリング会社が評価する対象は、利用企業そのものよりも、売掛債権(請求書)という“資産の安全性” です。
融資では返済原資はあなたの事業から生まれますが、ファクタリングでは返済原資は“売掛先からの入金”ですから、審査の比重がまったく違うわけです。
審査項目を理解することは、条件を良くするための唯一と言っていいほどの鍵になります。
ここでは、実際の審査で用いられる項目を、より実務的な視点から深く掘り下げて解説していきます。

1. 売掛先の信用力 ― 審査の中心に置かれる最重要項目
ファクタリング審査を語るうえで、まず避けて通れないのが「売掛先の信用力」です。
ファクタリング会社にとって、最終的に入金してくれる“返済主体”は売掛先であるため、この信用力こそが審査全体の軸になります。
信用力とは、単に知名度や企業規模ではなく、
• 財務状態
• 経営状況
• 支払いの正確性
• 業界動向
• 過去の債務不履行の有無
など、多角的な情報に基づいて評価されます。

たとえば売掛先が上場企業や大手企業であれば、支払い遅延の可能性が低く、ファクタリング会社としても安心できます。その結果、手数料は下がり、審査もスムーズに進む傾向があります。
逆に、売掛先が小規模事業者、個人事業者、歴史の浅い企業などの場合、支払い遅延リスクが高いため慎重な判断を求められます。

特に注意が必要なのは、
• 売掛先に税金滞納
• 売掛先の代表者変更
• 経営悪化による支払い遅延
• 業界全体の縮小傾向
など、外側からは見えにくい“リスク要因”が潜んでいるケースです。
ファクタリング会社は、信用調査会社のデータだけでなく、独自のヒアリングネットワークや過去の取引データを用いて、売掛先の信用力を把握しています。
売掛先が弱ければ、たとえあなたの会社が黒字で資金繰りも安定していても、審査は通りづらくなります。逆に売掛先が強ければ、あなたの会社が赤字でも審査が明確に通りやすくなります。
これがファクタリングの「審査ロジック」です。

2. 売掛債権の実在性・真正性 ― 架空取引の排除が最重要テーマ
ファクタリング審査の第二の柱が「売掛債権が本当に存在するのか」という確認です。
ファクタリング業界では、非常に稀とはいえ架空請求・二重譲渡などの不正事例が存在するため、審査の中心には必ず「実在性の確認」が置かれます。
確認されるポイントは、
• 請求書に整合性があるか
• 注文書・納品書・契約書と内容が一致しているか
• 過去に同様の取引が継続して行われているか
• 金額や数量などが不自然でないか
• 売掛先が取引内容を把握しているか(3社間の場合)
特に疑われやすいのは、
• 初めての取引でいきなり高額請求
• 契約書や注文書が一切存在しない
• 通帳に入金実績がない
• 値引きや返品などの情報が提供されない
• 電話確認で売掛先の担当者が取引を把握していない
こうしたケースでは、ファクタリング会社としては“何らかの不自然さ”を感じ、審査が非常に慎重になります。
また、「二重譲渡防止」は審査の大きなテーマです。
同じ債権を複数のファクタリング会社に売却する行為は当然ながら禁止されていますが、それを防ぐために、
• 債権譲渡登記
• 通知確認
• 独自のデータベース照合
• 取引実態のヒアリング
などが行われています。
利用企業としては、
「請求書・契約書・納品書・見積書」が整っていることが信用の証明になります。
書類の整備こそ、審査突破のもっとも重要な武器なのです。

3. 利用企業(あなたの会社)の信用状況 ― “補助的”だが軽視はできない項目
ファクタリングは売掛先が返済主体であるため、「自社の信用が弱くても使える」と言われることがありますが、これは半分正しく半分誤解を含んでいます。
ファクタリング会社は、
• 赤字
• 債務超過
• 税金分納
• クレジット事故
• 代表者の信用情報
などを確認はしますが、それは「融資できるか?」を見る視点とは違います。
目的は、
• 不正の可能性がないか
• 資金繰りが完全に破綻していないか
• 悪質な業者との関係がないか
• 支払意思があるか
• 契約後、報告義務が守られるか
といった、“取引の安全性を保つための確認”です。
たとえば、
赤字 → 問題なし
税金分納 → 正確に申告すれば問題なし
貸倒実績がある → 売掛先次第では問題なし
というケースは非常に多く、銀行融資とは審査基準がまったく異なることが分かります。
逆に厳しく見られるのは、
• 帳簿が正確でない
• 売掛金管理が杜撰
• 請求書と通帳の整合性が取れない
• 突然大きな取引が増えている
• 説明が曖昧で情報が二転三転する
といった“透明性の欠如”です。
つまり、あなたの会社の経営内容そのものよりも、
「情報の一貫性」と「誠実な対応」が審査では重視される
のです。

4. 過去の取引実績・取引履歴 ― 売掛先との“関係性の深さ”が大きな判断材料
ファクタリング審査において、売掛先との関係性は非常に重要です。
• 取引歴が1年あるのか10年あるのか
• 毎月継続して取引しているのか
• 年に1回だけの単発なのか
• 過去、支払い遅延はないか
• 契約内容は明確か
これらの情報は、売掛債権の安全性を判断するうえで大きな意味を持ちます。
特にファクタリング会社が評価するのは、
• “過去の支払い実績”
• “取引の安定性”
• “継続性と予測可能性”
です。
単発取引の請求書よりも、数年続く定期取引のほうが安全性は圧倒的に高く、手数料も審査結果も改善されます。
逆に、新規取引で実績が乏しい場合、ファクタリング会社は慎重にならざるを得ません。

5. 売掛債権の内容そのもの ― 金額・サイト・業種・収益構造
売掛債権は、金額やサイト(支払期日)によってリスクが大きく異なります。
• サイトが30日か90日か
• 債権額が50万円か500万円か
• 業種が安定業種か高リスク業種か
これらは審査に直接影響します。
サイトが長期の場合、ファクタリング会社がリスクを抱える期間も長くなるため、審査は厳しく、手数料も上昇します。
逆に、月末締め翌月払いなど、短いサイトの債権は安全性が高く評価されます。
また業種リスクも無視できません。
建設、運送、人材などは債権が安定している一方、店舗型ビジネスや単発業務中心の業種は波が大きく、審査は慎重になります。
審査は表面的な金額だけでなく、
売掛債権が“どのように発生し、どのように回収されてきたか”
まで踏み込んで行われます。

以上の項目を総合的に判断し、ファクタリング会社は最終的な結論を下します。審査は決して一つの項目だけで決まるものではなく、複数の要素が組み合わさった総合評価によって行われています。