お役立ちコラム 補助金・助成金サポート・資金調達・M&A支援の専門コンサルティング COLUMN

リースバックとは?-資産を手放さずに資金を確保する新しい選択肢

作成日:2026.05.08

ラ・ポールの徹底解説vol.11(1/1)

リースバックとは?
-資産を手放さずに資金を確保する新しい選択肢

リースバックとは?-資産を手放さずに資金を確保する新しい選択肢
株式会社ラ・ポールのコラムをご覧になっていただきありがとうございます。
近年、資金調達や資金繰りの手法が多様化する中で、「リースバック」という言葉を耳にする機会が増えてきました。特に、不動産や設備といった高額な資産を保有しているものの、手元資金に余裕がなく、事業運営や生活資金に不安を感じている方にとって、リースバックは非常に現実的な選択肢として注目されています。
しかし一方で、「売却するのに住み続けられるのはなぜなのか」「本当に安全な仕組みなのか」「借金とは何が違うのか」といった疑問を持つ方も少なくありません。
本コラムでは、リースバックの基本的な仕組みから、その本質的な意味、どのような場面で活用すべきなのかを段階的に解説していきます。

■1. リースバックとは何か、その基本的な仕組み

ファクタリングの決済遅延について考える前に、まず「ファクタリングにおける決済」とは何を意味しているのかを正しく理解する必要があります。ここを曖昧にしたままファクタリングを利用してしまうと、後々「聞いていなかった」「そんな話だとは思わなかった」というトラブルにつながりやすくなります。

リースバックとは、簡単に言えば「資産を売却した後も、同じ資産を借りて使い続けることができる仕組み」です。最も代表的なのは不動産のリースバックで、自宅や事業用不動産を第三者に売却し、その後は賃貸契約を結んで、引き続き同じ物件を利用し続ける形になります。

所有権は買主に移りますが、使用権は維持されるため、見た目上の生活や事業環境はほとんど変わりません。この「売る」と「使う」を切り分けた考え方こそが、リースバックの最大の特徴です。

従来、資金を確保する手段としては、金融機関からの融資や、不動産を担保にした借入が一般的でした。しかし、これらは返済義務を伴い、将来的なキャッシュアウトが確定するという点で、経営や生活にプレッシャーを与える側面があります。

リースバックは借入ではなく売却であるため、原則として返済義務は発生しません。資産を現金化することで、まとまった資金を一括で確保できる点が、他の資金調達手法との大きな違いです。

仕組みとしては、まず所有している不動産や設備などをリースバック事業者に売却します。その際、売却代金が一括で支払われ、これが手元資金となります。 その後、売却した資産について賃貸借契約を締結し、毎月の賃料を支払いながら、これまでと同じように使用を続けます。 住居用であれば引っ越しをする必要はありませんし、事業用であれば、店舗や工場、オフィスをそのまま使い続けることが可能です。 この「環境を変えずに資金を確保できる」という点は、精神的な負担を大きく軽減します。

また、リースバックは不動産だけに限られた仕組みではありません。 事業用の機械設備や車両などを対象としたリースバックも存在し、固定資産を多く抱える企業にとっては、バランスシートを軽くする手段として活用されることもあります。 資産を保有すること自体がリスクになる場面では、所有から利用へと考え方を切り替えることで、経営の柔軟性が高まります。

ただし、リースバックは「資産を売却して終わり」ではありません。賃貸借契約には期間や更新条件、賃料の設定などがあり、将来にわたる計画性が求められます。 売却価格と賃料のバランスが適切でなければ、短期的には資金繰りが楽になっても、長期的には負担が大きくなる可能性もあります。 そのため、リースバックは単なる資金調達手段としてではなく、「資産の持ち方をどう設計するか」という経営・生活戦略の一部として捉えることが重要です。

リースバックは、「資産を持っているが動かせていない状態」を「資産を活かして資金を生む状態」に変える手法だと言えます。次章では、なぜ今このリースバックという仕組みが注目されているのか、その背景や時代的な要因について、さらに深く掘り下げていきます。

■2. なぜ今リースバックが注目されているのか

リースバックという仕組み自体は決して新しいものではありません。 しかし、ここ数年で急速に注目度が高まっている背景には、社会構造や事業環境の変化が大きく影響しています。 特に中小企業経営者や個人事業主、さらには高齢者世帯にとって、「資産はあるが現金が足りない」という状況が珍しくなくなってきました。 このギャップを埋める手段として、リースバックが現実的な選択肢として再評価されているのです。

まず大きな要因として挙げられるのが、金融機関の融資姿勢の変化です。 以前と比べて、金融機関はより慎重な審査を行う傾向が強まり、赤字決算や将来性に不安がある場合には、融資を受けること自体が難しくなっています。また、融資が実行されたとしても、返済条件や担保設定が厳しく、経営の自由度が制限されるケースも少なくありません。 その結果、「借りたくても借りられない」「これ以上借金を増やしたくない」という声が増えています。リースバックは借入ではなく売却であるため、こうした制約を回避できる点が支持される理由の一つです。

次に、資産価値の見直しという観点も重要です。 日本では長らく「不動産は持ち続けるもの」という意識が強くありましたが、人口減少や地域格差の拡大により、不動産の価値は必ずしも安定しているとは言えない時代になりました。 将来的に価値が下がる可能性がある資産を保有し続けるよりも、今のうちに現金化し、必要な分だけ利用料として支払うという考え方は、合理的な判断として受け入れられつつあります。 リースバックは、こうした価値観の変化を背景に広がっている側面もあります。

さらに、事業承継や相続といった問題とも深く関わっています。 後継者がいない、あるいは事業規模を縮小したいと考えている経営者にとって、不動産は「重たい資産」になりがちです。 リースバックを活用すれば、事業を続けながら資産を整理し、将来の選択肢を広げることができます。 こうした中長期的な視点でのメリットが、今の時代にフィットしていると言えるでしょう。

この段階で重要なのは、「決済遅延=即トラブル」ではないものの、「信頼関係に影響が出始めるフェーズ」に入ったという認識を持つことです。ファクタリングは、スピードと信頼を前提に成り立つ取引であり、一度でも決済が遅れると、その後の取引条件や利用可否に影響が出る可能性が高くなります。

■3. リースバックと融資・リバースモーゲージとの違い

リースバックを検討する際、多くの方が比較対象として挙げるのが、金融機関からの融資やリバースモーゲージです。これらは一見似ているようで、仕組みや経営・生活への影響は大きく異なります。その違いを正しく理解することが、後悔しない選択につながります。

まず、金融機関からの融資との違いは非常に明確です。 融資はあくまで「借金」であり、元本と利息を返済する義務が発生します。 返済が滞れば信用情報に影響し、最悪の場合、担保不動産を失うリスクもあります。 一方、リースバックは売却であるため、返済という概念は存在しません。 資金を一括で受け取った後は、賃料を支払うだけで済み、借入金として財務諸表に計上されない点は、経営面でも心理面でも大きな違いとなります。

次に、リバースモーゲージとの比較です。 リバースモーゲージは主に高齢者向けの制度で、自宅を担保に金融機関から資金を借り、死亡時に不動産を売却して清算する仕組みです。 毎月の返済負担がない点ではリースバックと似ていますが、あくまで借入であるため、金利変動リスクや不動産評価額の下落リスクを抱えることになります。 また、利用条件が厳しく、年齢や物件の所在地によっては利用できないケースも多く見られます。

リースバックは、年齢や職業に関係なく利用できるケースが多く、事業用不動産にも対応しやすいという特徴があります。 ただし、所有権を手放すという点では、リバースモーゲージ以上に覚悟が必要です。 そのため、「所有にこだわるのか」「利用できれば十分なのか」という価値観の整理が欠かせません。 どの手法が優れているかではなく、自身の状況や目的に合っているかどうかで判断することが重要です。

■4. リースバックが向いているケース・慎重になるべきケース

リースバックは非常に柔軟性の高い仕組みですが、すべての人や企業にとって最適な選択肢とは限りません。 導入を検討する際には、自身の状況を冷静に見つめ、「向いているケース」と「慎重になるべきケース」を見極める必要があります。

リースバックが向いているのは、まず「資産はあるが、すぐに使える現金が不足している」状況です 。例えば、事業用不動産を所有しているが、運転資金や設備投資資金が必要な場合、リースバックによって環境を変えずに資金を確保できます。 また、引っ越しや事業所移転が難しい事情がある場合にも、この仕組みは大きなメリットを発揮します。

一方で、慎重になるべきなのは、長期的に賃料を支払い続ける余力がない場合です。リースバックは売却によって一時的に資金が潤いますが、その後は毎月の賃料という固定費が発生します。売却代金を生活費や赤字補填に使い切ってしまうと、将来的に賃料の支払いが重荷になる可能性があります。また、将来的にその資産を再取得したいと考えている場合、再購入条件が厳しく設定されているケースもあるため、事前の確認が不可欠です。

リースバックは、「今を楽にするための手段」であると同時に、「将来をどう設計するか」という問いを突きつける仕組みでもあります。短期的な資金繰りだけで判断するのではなく、数年先、あるいはそれ以上先を見据えた上で導入を検討することが、後悔しない選択につながります。次章では、リースバックを利用する際に必ず確認すべき契約条件や注意点について、さらに具体的に解説していきます。

■5. リースバック契約で必ず確認すべき条件と落とし穴

リースバックを検討する際、最も重要なのは「契約内容をどこまで理解しているか」です。 リースバックは一見シンプルな仕組みに見えますが、売買契約と賃貸借契約という二つの契約が同時に存在するため、確認すべきポイントは決して少なくありません。 ここを曖昧なまま進めてしまうと、後になって「こんなはずではなかった」という事態に陥る可能性があります。

まず確認すべきは、売却価格の妥当性です。 リースバックでは、一般的な市場価格よりも売却価格が低めに設定されるケースが多く見られます。 これは、買主側が賃貸リスクや将来の再売却リスクを織り込むためですが、極端に低い価格での売却は、その後の資金計画に大きな影響を及ぼします。 目先の資金確保だけで判断せず、他の資金調達手段と比較した上で、本当に納得できる条件なのかを冷静に見極めることが重要です。

次に、賃貸借契約の内容です。 特に重要なのは、賃料、契約期間、更新条件、解約条件の四点です。賃料が適正であるかどうかはもちろん、定期借家契約なのか普通借家契約なのかによって、将来的な居住・使用の安定性は大きく変わります。 定期借家契約の場合、契約期間満了時に再契約できる保証はなく、事業や生活の継続性に影響を及ぼす可能性があります。

また、「将来的に買い戻せるのか」という点も、事前に必ず確認すべきポイントです。 リースバックの中には、買戻し特約が付いているものもありますが、その条件は事業者ごとに大きく異なります。 買戻し価格が高額に設定されていたり、一定期間内に限定されていたりするケースも少なくありません。 将来の選択肢として再取得を考えている場合には、契約書レベルで明確にしておく必要があります。

リースバックは「契約して終わり」ではなく、「契約してからが本番」です。 契約条件一つ一つが、将来の自由度を左右することを理解し、専門家の視点を交えながら慎重に進めることが、失敗を避ける最大のポイントです。

■6. リースバックを資金繰り・経営戦略にどう組み込むか

リースバックを単なる「最後の手段」として捉えてしまうと、その本来の価値を十分に活かすことはできません。 重要なのは、リースバックを資金繰りや経営戦略の中にどう位置づけるかという視点です。 計画的に組み込むことで、リースバックは守りだけでなく、攻めの経営にも活用できる手段となります。

例えば、事業拡大を目指す企業にとって、保有不動産は必ずしもプラスの資産とは限りません。 資産としての価値はあるものの、現金を生まない固定資産は、成長スピードを鈍らせる要因にもなります。 リースバックによって不動産を現金化し、その資金を新規事業や人材投資、設備投資に振り向けることで、経営の機動力を高めることが可能になります。

これは「資産を売った」のではなく、「資産の形を変えた」と考えるべきでしょう。 一方で、守りの観点からの活用も重要です。 突発的な資金需要や、金融機関からの追加融資が難しい局面において、リースバックは非常に即効性のある選択肢となります。 特に、資金繰りが悪化してから慌てて動くのではなく、まだ余裕がある段階で検討しておくことで、条件交渉の幅も広がります。

大切なのは、リースバックを単独で考えないことです。 融資、ファクタリング、補助金など、他の資金調達手段と組み合わせ、自社にとって最適な資金戦略を設計することが、安定した経営につながります。 その中でリースバックは、「資産を活かした柔軟な調整弁」として機能させるのが理想的です。

■7. リースバックは「覚悟」と「設計」が成否を分ける

リースバックは非常に魅力的な仕組みである一方、安易に選択してしまうと、将来の選択肢を狭めてしまうリスクも孕んでいます。 その成否を分けるのは、「覚悟」と「設計」です。 所有権を手放すという決断には、それ相応の覚悟が必要ですが、その覚悟を無駄にしないためには、緻密な設計が欠かせません。

特に注意すべきなのは、「今が楽になるかどうか」だけで判断しないことです。 リースバックによって一時的に資金が潤うと、問題が解決したように感じてしまいがちですが、本質的な課題が解消されていなければ、数年後に再び同じ問題に直面する可能性があります。 リースバックは万能薬ではなく、あくまで経営や生活を立て直すための時間を買う手段です。 その時間をどう使うかが、最終的な結果を大きく左右します。

また、リースバックは情報格差が生まれやすい分野でもあります。 事業者によって条件や対応姿勢は大きく異なり、同じ物件でも提案内容がまったく違うことも珍しくありません。 だからこそ、一社の提案だけで決めるのではなく、複数の選択肢を比較し、自分にとって何が最適なのかを見極める姿勢が重要になります。

リースバックは、「追い込まれて選ぶ手段」ではなく、「戦略的に選ぶ手段」であるべきです。 その本質を理解し、正しく使いこなすことができれば、資産を守りながら次の一手を打つための、非常に有効な選択肢となるでしょう。

■株式会社ラ・ポールからの挨拶

最後までお読みいただき、誠にありがとうございます。 リースバックは、資産を手放すという大きな決断を伴う一方で、資金繰りや経営の自由度を高める可能性を秘めた仕組みです。 重要なのは、自社やご自身の状況を正しく把握し、将来を見据えた上で最適な選択をすることです。

株式会社ラ・ポールでは、リースバックを含め、融資やファクタリング、補助金など多角的な視点から、お客様一人ひとりに合った資金戦略をご提案しております。 資金や資産の活かし方でお悩みの際は、どうぞお気軽にご相談ください。 今後も皆様の経営と生活に寄り添う情報を発信してまいります。


リースバックとは?
―資産を手放さずに資金を確保する新しい選択肢

ラ・ポールの徹底解説vol.11(全1ページ)